ギター工房Yellow Gem様でギターを作ったお話
日菜ギターの製作忘備録です
コンセプトとして
・最初は出来るだけ低コストで量産できる様にする→コロナでワンオフに切り替えたので、自分が仕事で使うに耐えるギターとする
・各種調整がやりやすい様にする
というものがありました。
日菜ギターの前提仕様
- ヘッド・ボディシェイプはFender Telecasterが元。
- ペグはFenderのビンテージ系ではなくニュースタンダードタイプとする
- 1Pメイプルに裏にウォルナットの貼指板ではない仕様。
- HSHのピックアップレイアウトに1Vol, 1Tone, 1ToggleSWのレイアウト。俗にいうカスタムテレキャスターに準ずる。
- コンターはバックのみ。
という形です。あえて本家モデリングと違う形にしたのは
- ペグはニュースタンダードだが更にロックペグタイプとする。現場の交換性とか考えた上ですね。
- 指板のポジションマークは3Dモデルはないのですが、私はないギターの扱いに難があるためありとしてます。
- ストラップピンがロック式かわかりませんが、現場でロック式じゃないとかほぼほぼあり得ないのでロック式へ変更
- モデリングだとセンターシングルは表からはピックアップカバーしか見えない形ですが、一派的なピックガードレスのダイレクトマウントへ変更
という形です。4.に関しては内部をスローバーの様にくり抜かない限り入れられないため再現不可能ですね……
という前提の元製図。
某るんっ♪ってくる日菜ギターの製図がほぼほぼ完了しましたので供養。こうやっていつか作りたいなぁって思いながら放置しているギターの図面がたくさん出来上がるのでした。 pic.twitter.com/Ubi6YS2qQt
— Loose Cannon Lounge (@LooseCannonLNGE) 2020年7月7日
うちのオールローズやらレスポール等愛用品のサイズを計測して、持った時の感触はできるだけ似せる形にしました。
ネックシェイプは59レスポールやら52テレのように太いのが好きなのでそれにて海外でオーダーしましたが、私以外も使うことも考え非対称にはしてません。
ピックアップマウント位置とかはうちにある好みのサウンドの出るものに合わせたりと、割とその点考えて配置しています。
ノブやトグルは……アニメモデリングを参考に『だいたいこの位置だな』と。
そしてボディ製作をギター工房Yellow Gem様にて行いました。
実は昔訪れたこともあり、近所に行く時があったら何度か即日調整をお願いしたことがありまして。
加えてたまにスタジオ等一緒に行くエフェクター/ノブビルダーのkoh craftさんの薦めやリフィニッシュを依頼するって事で同行した上でお願いしてきました。
製作の際にお願いしたこと
- ボディーはアルダー材をチョイス。
- ボディシェイプにおいて製図はあくまでも参考として、All Rosewood Telecasterを持ち込んでこれを元にあとは経験優先で細かい配置はお任せとしました。
- エスカッション・ストリングガイド・ジャックプレート・バックコントロールプレート等の調整でよく取り外す部分の木部に埋め込みナットを採用。
- カラーは何度かサンプル確認の上で色味とメタリック感にこだわらせてほしい。
- センターシングルはダミーとし、トーンポットはフロントリア共にコイルタップできる形へ。
アルダーにしたのは、なんだかんだでギターのためにあるバランスのある木かつ、ここで使わないと……というのもあり選択。
加えてコイルタップでシングルにする時、マホだと輪郭のボヤけ等をKDHR PRSで感じるのもありました。
ボディはTLシェイプでH-S-Hレイアウト、PGは無しでのオーダー。
— yellowgem (@yellowgem_gandb) 2020年8月11日
写真はアルダー材に表側からのキャビティ加工等を行なったところです。#yellowgem #ギター工房 #カスタムギター pic.twitter.com/nQviuaffnx
埋め込みナットは私の悲願でもあります。
調整の度に外してバカになりやすいし、その緩みで音の輪郭が変わるのを少しでも減らしたいのもあり。
結果として全て対応できたので満足しています。
この辺りは麻弥辺りが「メンテナンス面も考えてやっときました!」とか言ってもおかしくないかな?と。
音も木材も影響も最小限にし、メンテも楽ちん。裏方従事者の悲願ですよホント。
カラーは何通りか作っていただいたものに更に照明やら変えた上でこのポイントを!と選択したもので再度作ってもらって決定しました。
koh craftさんのパール感も結構こだわっていたこともあり、カラーの見栄えに関しては最高にいいものができていました!素晴らしい……
センターシングルはダミーです。死んでます。
フロントリアに割と圧の強いハムバッカーピックアップであるSuhr SSV/SSV+を選んだのでシングルも混ぜると音のバランスがとりにくい上に
私はフロントシングルのノイズやら音の感触が苦手なので、レスポール同様にフロント/ミックス/リアの配線にして、あえてシングルトーンが必要な時用にコイルタップ採用してます。現場で割とどちらも好評でした。
他こだわったこと
・ネックは杢が出ているものに。事務所用意ならまぁ高級品選ぶでしょう。
ただ手違いで未塗装品が送られてしまったのでこの塗装と細かい調整もお願いしました。
ナットはTUSQ XLを使ってます。これもチューニングの安定性等考えると半必然品ですね。
・ネックプレートはESP Titan Plateを選択。汚れ等のメンテナンスもだし、これのサウンドの出方が中々に好みなんです。プレートはこだわるべき。
・ジャックはPure Toneです。ぐらつきもなくしっかり刺さり固定されるので交換時に選択するのをお勧めします。
・まだ交換前ですが、ノブはSUSでただいまkoh craftさんでオーダー中です。メンテフリーと高級感が両立するのは素晴らしいですよね?
・ブリッジにはトリガーポイントのイモネジに変えてます。ハイの出方とかを調整するのに使ってみましたが、いいところに落ち着いたと思います。
・私自身はバックコンターすら嫌いなレスポール使いなので、薄くしてもらってます。再現のためあえて入れている形ですね。
そうして細部にこだわった事で私が使う上では最高にいいものが出来上がりました。
しっかり調整して無事お渡しとなりました。
— yellowgem (@yellowgem_gandb) 2020年8月16日
既に弾きまくって下さっている様で、私も頑張った甲斐があるというものです。
今回はお持ち込みのネックでしたが、もちろんゼロから製作も承ります。
ご興味のある方いらっしゃいましたら、是非一度工房へ遊びにいらして下さい! pic.twitter.com/rCKY6GOK3Q
my new gear……
— Loose Cannon Lounge (@LooseCannonLNGE) 2020年8月13日
Yellow Gem Ordermade Custom Hina Telecaster#mynewgear #NGD pic.twitter.com/WHlOMUBjZs
先ほどまでkoh craftさん ( @koh_craft )とスタジオ入ってきましたが、ドラムとベースとギターで並べるとまたエモさが光りますね。一眼で写真も撮っていただいてありがたや。
— Loose Cannon Lounge (@LooseCannonLNGE) 2020年8月13日
ベースもRTしたようにYellow Gem様 ( @yellowgem_gandb )でいい感じにパール感のある塗装で素晴らしかったです。感謝です! pic.twitter.com/STZItk4cu5
先ほどのスタジオでの本気の大人の悪ふざけのお写真を pic.twitter.com/FJVFa02k89
— koh craft (@koh_craft) 2020年8月13日
かなり大満足しております。
そんな製作してくださったYellow GemさんのTwitter/HPはこちら
とても真摯に製作いただいてありがとうございました!
加えて、いつも通り関東で撮影とかで使いたい方は連絡いただければできる限り対応いたしますので
その際はDM等で連絡いただければと思います。